こんにちは!音葉です。今日は、オーボエを習っている方なら、必ず1度は習うブリテン6つの変容について書いていきたいと思います。
いきなりなぜこの曲?というのも、私がこの曲を演奏する機会がもうすぐやってくるので、その前に一度知識を整理しておこうと思ったからです笑
この記事は、以下のお悩みを解決します!
・ギリシャ神話の登場人物が知りたい!
・ブリテンの曲を練習するのに、知識が欲しい!
ブリテン6つの変容ってどんな曲?
英語タイトルでは、Britten 6 Metamorphosis After Ovid といいます。
そのタイトルの通り、6つの神様のお話の曲なので、1つずつみていきたいと思います。ちなみに、こんな楽譜です。
|
ぜひ、音楽を聞きながら神様のストーリーと照らし合わせて楽しんでくださいね!
I. Pan パン
who played upon the reed pipe which was Syrinx, his beloved
とタイトルの横に書いてあります。では、パンってどんな神様なのでしょうか?
パンは、ヤギの角と足を持った音楽好きの牧神です。牧神というのは、牧人と家畜を守る神様のことです。
ギリシャ先住民族のペラスゴス族の王の娘ドリュオペーと、伝令神ヘルメースの間に生まれたと言われています。
ヤギの身体能力と人間を合わせたような体で、半人半獣の神だったため、ギリシャ語ですべてを意味するパンという名前が付けられました。
シリンクスという妖精に恋をしたパンは、捕まえようとしますが、逃げられてしまいます。
シリンクスは消えてしまいましたが、その代わりパンの両腕には、葦の束が残っていました。
その葦で笛を作り、シリンクスを想いながら音楽を奏でている。
そんな少し悲しくもあるストーリーです。
葦、はオーボエのリードの材料です。
そのため、オーボエ奏者にとって、この曲は絶対に一度は習う曲なんです!
また、神々の宴会途中に、突然現れて火を噴いたことから、天神ゼウスによって、星座にされたという言い伝えも残されています。山羊座ですね!
II. Phaeton フェイトン
who rode upon the chariot of the sun for one day and was hurled into the river Padus by a thunderbolt.
フェイトンは、太陽神ヘリオスと精霊クリュメネーの子どもです。
フェイトンは、友達から太陽神の子どもなわけがないとからかわれ、ある日、父の二輪車に乗って、天空に駆け上がっていきます。
しかし、サソリやライオンが幼いフェイトンを脅かすので、いつもの道をどんどん外れて下に降りていきます。
いつもなら他の神よりも上を走っているはずの太陽神が、下を走っているため、たくさんの国や住民が暑さで焼き尽くされていきます。
それを見た、全能の神ゼウスが、怒って、フェイトンに向かって稲妻を投げつけ、黒焦げになって落ちていきます。
フェイトンを脅かしたサソリが化けて、星座のサソリになったという伝説があります。
ちなみに全能ゼウスってこんな人です!
III. Niobe ニオべ
who, lamenting the death of her fourteen children, was turned into a mountain
とっても優秀な娘7人と息子7人を持ったニオべは、とっても彼らのことを誇りに思っていました。
全能の神ゼウスとの間に、アポロンとアルテミスの2人しか子どもがいないレトよりも、自分の方が優秀だと自慢をします。
それに怒ったレトは、レトの子どもたちにニオべに復讐をするように言い伝えます。
そして、アポロンは、ニオべの男の子どもたちを、アルテミスはニオべの女の子どもたちを殺します。
ニオべは目の前で、次々と自分の子供たちが殺されていくのを嘆き悲しみました。
全能の神ゼウスは、そんなニオべをかわいそうに思い、心を持たない石に変えてしまいます。
石になっても、いつまでも子どもたちのことを思い嘆き続けたそうです。
IV. Bacchus バッカス
at whose feasts is heard the noise of gaggling women’s tattling tongues and. shouting out of boys
お酒の神様、バッカスは全能の神ゼウスの息子。
なんと、いろいろあってゼウスから生まれたバッカスは成長すると、ぶどうの栽培を覚えて、ぶどうからお酒を作る方法を生みだします。
そんな愉快なバッカスは、いろいろな人と、お酒の宴会をします。
V. Narcissus ナルシサス
who fell in love with his own image and became a flower
ある日、泉に映った自分の美しすぎる姿に恋をします。
話しかけると、その泉に映った自分も同じ様に返事をしてくれます。
オーボエの楽譜なのに、楽譜が上と下に分かれているのは、話しかけている自分と、泉に映った自分が答えているからなんです。
すると、気になって、いつまでも水辺から離れることができず。気づけば、彼自身が泉をのぞくように咲いている水仙になってしまったのです。
このお話がもとに、ナルシストという言葉が生まれたと言われています。
VI. Arethusa アレトゥーサ
who, flying from the love of Alpheus the river god, was turned into a fountain
もともとは森のニンフなアレトゥーサ。みんながその美しさに惚れているにも関わらず、彼女はいつも狩に夢中で狩のことを自慢ばかりしていました。
ある日、狩で疲れた体を休めようと、森の近くの川辺にいったアレトゥーサは自分の名前を呼ぶ声を聞きます。
怖くなって逃げようとしますが、川の神、アルペイオスに追いかけられます。
疲れてきたアレトゥーサは、女神アルテミスに助けをもとめます。
すると、アルテミスはアレトゥーサを雲の中に隠し、ひっそりと見つからないように暮らしているうちに、その島の泉になってしまいます。
まとめ
今回は、ブリテン作曲の6つの変容で出てくるギリシャ神話の神様についてみていきました。
興味のある神様が見つかりましたか?
私は、6人の神様のお話を初めて聞いた時、ナルシサスが1番興味がありました。というのも、オーボエなのに1人で2声もできるのが興味深かったからです。
ぜひ、興味のある曲をストーリーを思い出しながら練習してみてくださいね!
コメント