原典版と校訂版は何が違う?解釈版の方がおすすめな理由は?

ピアノ

こんにちは!音葉です。今日は、新しい楽譜を買うときに必ず悩む、原典版と校訂版についてお話ししていきます。
以前、プレゼントするのにおすすめな楽譜というトピックでお話しさせていただいた際に、少し触れたのですが、今回はもっと丁寧に見ていきたいと思います♪

みなさんは、原典版に対してどんなイメージがありますか?

ある人は、値段が高い、紙の性質がよくなくて破れやすい、楽譜が開きにくいなどの悪いイメージがあると思います。
その一方で、原典版といえば、1番信頼ができる、楽譜が見やすい、などのプラスのイメージがある人もいると思います。

私は、最近、楽譜を新しく買うときは比較的、原典版を買うようにしています。

この記事は以下のお悩みを解決します!

みどみど

・原典版をおすすめする人はどんな人?

・校訂版をおすすめする人はどんな人?

・そもそも、何が違うの?

・原典版についてもっと知りたい!

・校訂版についてもっと知りたい!

原典版と校訂版の違いは?

原典版は、よく楽譜にurtextと記載があります。私は、原典版イコール作曲家が作曲したその状態の楽譜のコピーと思っていました。

しかし、必ずしも原典版は作曲家に忠実とは限らないのです。作曲家の中には、その作品を世の中に出版する前に、自分の弟子に弾かせたり、自分が練習をしていく中で、音を変えたりする人もいます。

そのため、その当時に作られた、作曲家に忠実という出版社でさえも、それぞれ音が違っていたり、リズムが違っていたりするのです。つまり、初めて出版された楽譜が必ず正解なのではなく、いろいろな研究がされた後の楽譜がもしかすると、1番作曲家に忠実なのかもしれません。

 

私が今まで、いろいろな楽譜を見てきた中では、モーツァルトの楽譜の違いが何回かありました。私は、普段、赤色のベーレンライター社のものを使っているのですが、ある日、運指に迷って全音版で確認したことがあったんです。その際、音が違う‼︎ということがあり、、、

それがきっかけで、これから原典版と校訂版のどちらを使うのかを考えました。

私が興味深いと思ったことを紹介しますね。ちなみに、原典版といえば1番有名なのがドイツから出されている、青色の表紙のヘンレ版なのですが、ヘンレ版は原典版をこのように定義しています。

基本的な考えは、非常にシンプルで納得がいくものです。それは、他でもない作曲家の意図に沿った楽譜を音楽家に提供することです。改変されていない、つまり校訂者や出版社によって変更されていない楽譜です。

ヘンレの原典版が学術的な裏付けの確実な楽譜であるのは当然

https://www.henle.de/jp/the-publishing-house/was-ist-urtext/

校訂版とは?

原典版の楽譜に、より良い演奏にするために曲の分析やスラー、タイやペダルの踏み方などを書いた楽譜です。校訂版の楽譜には、その分析を担当した研究者やピアニストの名前が楽譜の表紙に書いてあることが多いです。

また、練習方法などの解説がたくさん書かれてあることが多く、ピアノを独学で習得しようとする人には常に隣に置いておきたい楽譜になります。
例えば、バッハの校訂版の楽譜では、市田版といって、市田儀一郎さんの編集した楽譜が有名です。実際に私も、市田版を使ってバッハを練習しています。

最近では、校訂版にもたくさん種類がでてきています。例えば原典版の楽譜に青や緑色の文字で演奏のヒントが書かれてあり、1冊で原典版も校訂版の役割を持っている楽譜があります。できるだけ、原典版を使いたいが、ヒントも欲しいという方には、そのような楽譜がぴったりなのではないでしょうか。

原典版と校訂版の主な違いは?


原典版では、校訂者が、強弱記号(クレッシェンド、フォルテなど)やアーティキュレーション記号(スラーやタイ、テヌートなど)新たに付け加えたりすることはほとんどありません。
もし、作曲家が運指を書いていればそれを尊重し、書いていなかったり不十分なところがあれば、校訂者が付け加えたことが分かるように記載されてるある場合がほとんどです。

原典版と校訂版のどちらを使う?

私は、原典版の楽譜も校訂版の楽譜も同じくらい持っています。なぜなら、時と場合によって使う楽譜を変えているからです。

例えば、練習曲(ショパンエチュードを除く)は校訂版の全音出版のものを使います。なぜなら、詳しくどうやって練習するといいかや、運指、アーティキュレーションなどが細かく書かれてあるからです。練習曲はあくまでも、技術や基礎的なことの練習なので、反対にこれらのことが学べるのがいいと思います。

その一方で、モーツァルトやベートーヴェン、シューベルトのソナタは、原典版を使っています。ベーレンライターのもヘンレも持っています。原典版の中でもどの出版社にするかは、自分が習っている先生に聞いたり、自分の好みだと思います。

そして、ショパンは、かなりの特例で、ヘンレもいいですが、パデレフスキ版か、エキエル版の原典版、もしくは校訂版ならコルトー版を使っている方が多いです。あの有名なショパン国際コンクールでは、5年前にエキエル版が推奨されるようになりました。

ショパンの楽譜の選び方について、違う記事で詳しく触れているので、もしよければ確認してみてくださいね♫ https://otonojourney.com/archives/322

 

また、ドビュッシーやラヴェルなどのフランス人作曲家は、フランスの出版社であるデュラン社が使われることが多いです。

もし可能なのであれば、1楽章と2楽章の繋ぎめや、譜めくりのしやすさ(ページをめくった後が休符など)を確認した上で楽譜を選ぶことをお勧めします!

まとめ

今回は、楽譜の違いについて見ていきました。今回のポイントは、

1原典版は、作曲家に忠実な版である
2校訂版は、練習のヒントがたくさん詰まっている版である
3先生に聞いたり、自分の好みや楽譜の見やすさで楽譜を選ぼう♪

 

この記事を書いた人

はじめまして、音のジャーニーを管理している音葉です。

突然ですが、私は、世界中のいろいろな音が好きです。

雨の音、お湯を沸かしている音、料理している音、窓の外から聞こえる鳥の鳴き声など。一度気になると、寝ることや勉強をすることなんて忘れて、聞き入ってしまいます。

そんな様々な音の中でも、クラッシック音楽に一番の魅力を感じています。

特別な音楽教育を受けたりしていませんが、ピアノとオーボエをメインに、気になる楽器といろいろ浮気をしつつ、毎日楽しく音を楽しんでいます。

幸運にも、日本だけでなく、アメリカとカナダでの生活を経験をし、それぞれの国で異なった音楽教育を受けることができました。

欧米では、音楽の本当の楽しみ方を教えてもらい、偉大な作曲家や、クラッシック音楽が今までよりも身近に感じられるようになりました!!

大学生になった今も、趣味として音楽をずっと続けれていることにとても幸せを感じています。

このブログを立ち上げた理由はただ一つ、私はとてもおしゃべりさんなので、音楽に関することで調べたこと、学んだこと、いいなと思ったこと、いろいろシェアしたかったからです。

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