こんにちは、音葉です。
今回は、ショパンバラード徹底解説第2回目として、
ショパンバラード2番Op.38について少しずつ見ていきたいと思います。
私が今、バラード2番を練習していることもあり、1番ちゃんとした解説です。
バラード2番 Op.38
作曲年:1836年〜1839年、ショパンが29歳の時の作品。
私は、このバラード2番を聞いてバラードに魅力を感じたこともあり、1番お気に入りなのですが、世間的には、1番人気のない作品です。
1番→4番→3番→2番か、
4番→1番→3番→2番
の順で人気だそうです。ちょっと悲しい。
この曲は、シューマンに献呈されており、いつも、いいなシューマン、羨ましいと思っています。
シューマンに献呈された時は、イ短調ではなく、ヘ長調で終わっていたそうです。
曲の構成は、4曲の中でも最もシンプルで、ABA’B’コーダ。
A:第1主題 Andantino
Aは、ヘ長調から始まるとても優しい第一主題。
人によっては、この第一主題が長い、つまらない、という人もいるそうですが、私は大好きな部分です。
楽譜を見てわかる通り、8分音符ー4分音符♪♩の形がメインとなっています。
右手と左手、ドのオクターブから始まり、そこに右手のラ、左手のファが加わって、主和音の響きを作り出しています。
ヘ長調の和音(ファ、ラ、ド)
ヘ長調七和音(ファ、ラ、ド、ミ)
この第一主題は、いえば、牧歌的で、田園のような雰囲気を持っています。
例えば、ベートーヴェン交響曲6番は、田園というタイトルで知られていますよね。
それも、ヘ長調。
ただ、ベートーヴェンピアノソナタ15番田園は、ヘ長調ではなく、二長調なので、
ヘ長調特有とは言い切れませんが、何か関係があるのかもしれません。
そして、この第一主題は、次の第二主題、イ短調の主音であるラとフェルマータで終わります。
B:第2主題 Presto con fuoco
Bは、イ短調からはじまる激しい怒り狂ったような第二主題。
この第二主題は、大きく2つに分けることができます。
前半(47〜62小節)上の部分〜
後半(63〜81小節)*写真は62小節からになっています。
後半部分は、音階が上がったり下がったりを繰り返す左手とともに、右手の♪♩が少し変形して、付点がつき、♪.16分音符♪.♩. になります。
イ短調からどんどん転調をしていき、変イ短調になったところで、右手がゆっくり降りていき、第一主題のヘ長調へと戻ります。
A’:第3主題
Aは、また第一主題がヘ長調で、少し変化して戻ってきます。
平和が戻ってきた、と思いきや、すぐにフェルマータがやってきます。
そこで、第一主題に完全に戻るのかと思いきや、♩♪のリズムを中心に、4声になり、そしてどんどん激しくなっていきます。
B’:第2主題 Presto con fuoco
Bは、ニ短調で再現される第二主題。
ニ短調は、ヘ長調の平行調であり、イ短調の下属調です。
このB’でもBと同じように、前半と後半に分けられます。
前半(141〜154小節)上の部分〜
後半(155〜167小節)*写真は153小節目からになっています
コーダ
コーダは、曲の締めくくり、というよりは、今までの音、物語のまとめ、といった感じがします。
普通であれば、第一主題の調整であるヘ長調で終わりそうですが、なんと第二主題のイ短調で終わります。
ウィリス湖の物語
アダム・ミツキェーヴィチの詩の中から、バラード2番は、ウィリス湖の詩が元になっているという意見もあります。
昔、ある勇敢な騎士が、リトアニアの深い森の中にある湖をめぐる伝説の神秘を解こうと決心して、大きな網を湖中に投げた。
網を引き揚げると中には美しい姫が入っていた。
姫の話によると、今は大森林になっているこの湖畔もその昔は立派な町であった。
あるときリトアニアとロシアの間に戦争が起こり、女たちは生きて囚われの身となるより死を願って神に祈った。
たちまち大地震が起こり、城も町も湖中に消え去った。
女たちは睡蓮と化し、手を触れるものを呪った。
この水の国の女王でもある姫が騎士に害を加えなかったのは、騎士が彼女と同族の出身だったからだが、これ以上この湖の神秘を暴こうとしてはいけない、と言って、彼女は水中に姿を消したという。
引用:https://blog.goo.ne.jp/promasumi/e/36e7908048f665137c99ac180a85f17b
まとめ
今回は、バラード2番について少し細かくみていきました。
バラード2番を同じく練習している方の参考になれば嬉しいです☺️
https://otonojourney.com/archives/1169
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