こんにちは、音葉です。
ピアノの先生と、バラード1番2番の合同コンサートをしようと約束をしてしまったがばっかりに、今必死で譜読みを進めているのですが、少しでも音楽的に弾こうと思うと、やはり背景を理解していることが大切ですよね。
今回はそんなバラードの曲の理解を少しでも深めれるように、できるだけわかりやすく、簡単に解説していこうと思います。
今回は、2回に続けてお届けします。
第1回は、ショパンのバラードの形式とバラード1番についてです。
第2回は、バラード2番とバラード3番、バラード4番についてです。
バラードってなに?
バラード、というジャンルを聞くことは多いと思います。
例えば、ブラームスのバラード4つのバラードOp.10など。
そんなバラードというジャンルをピアノ作品に作ったのは、ショパンが初めてだったことをご存知ですか?
バラード、という言葉は、18世紀から19世紀まで、歌曲に使われていた言葉でした。
また、それ以前は、中世ヨーロッパでよく作られていた詩の形式の1つを表す言葉でした。
神話や、英雄譚、また恋愛がよく詩のトピックになっていたそうです。
それが、1831年に作曲された、バラード1番で、初めてショパンが、ピアノにもバラードというジャンルを作りました。
バラードとは、フランス語で物語を意味しますが、物語的や文学的な雰囲気の音楽的作品という意味だそうです。
また、英語やフランス語のバラードという言葉の語源は、「踊る」を意味するギリシャ語の言葉だそうで、舞台舞踊の一つである、バレエとバラードは関係しているのではないかという考えもあります。
ショパンのバラードは全部で4曲
1番 ト短調 Op.23
2番 ヘ長調 Op.38
3番 変イ長調 Op.47
4番 ヘ短調 Op.52
の作品があります。
難易度は、4番→1番→3番→2番
の順番とよく言われていますが、2番が1番簡単とはいえ、全然簡単ではありません・・・。
この4曲のバラードは、ポーランドの詩人、アダム・ミツキェーヴィチの詩に影響されて作曲されたと言われており、それぞれのバラード1曲ずつに物語があるようです。
バラード1番Op.23はコンラッド・ヴァンレンロッド
バラード2番Op.38はシフィテシ湖
バラード3番Op.47はシフィテジャンカ
バラード4番Op.52は3人のブドリス
と考えられています。
しかし、ショパンは、音を通して何かを伝える、ということにはあまり興味がなかったようで、曲を弾くためにそれぞれの物語を知っていても知っていなくてもいいのではないか、という意見もあります。
そう考えれば、私たちが音を聞いて、どう感じたのか、をそのまま表現すればそれでいいのかもいいのかもしれません。
他の作曲家、例えば、バッハやモーツァルトと違い、ピアノ作品ばかり残したショパンは、きっとオペラや標題音楽、宗教音楽の作曲にはあまり興味がなく、
ピアノによって自分だけのロマン主義的な世界観(偽りのない感情表現)を作曲しようとしたのではないでしょうか。
そんなショパンにとっては、同じポーランド人の、ミツキェーヴィチの物語詩は憧れた存在だと考えられますが、ショパン自身が、彼の物語をそのまま音楽にしたとは言い切ることはできないようです。
バラード1番
作曲されたのは、1831年〜1835年。ショパンが26歳の時の作品です。
バラード4曲の中でも、1番か2番に人気のあるこのバラード。
聞く機会が1番多いのではないでしょうか。
冒頭
バラード1番で1番の特徴は、なんといっても初めのド(C)から始まる序奏です。
4/4拍子、変イ長調で始まる序奏。
この始めのとても重々しい1音を聞いた時、誰もが、今から一体何が始まるんだ!と気になる雰囲気になることでしょう。
ラフマニノフピアノ協奏曲2番の冒頭みたいに。
第1主題
そのあと、すぐ、あと3回に渡り緊張度を増しながら登場する、第一主題が出てきます。
序奏の4/4拍子、変イ長調から、6/4拍子、ト短調に変わります。
冒頭と比べて、かなり穏やかな雰囲気です。
第2主題
第1主題の終わりの激しさとは対照的です。
コーダ
そして、激しいコーダがやってきます。
最後
最後は、このように終わります。
まとめ
今回は、ショパンバラード第1回として、バラードってどんなジャンルと1番についてみていきました。
次回は、バラード2番、3番、4番についてみていく予定です。
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